調停は、簡易裁判所や家庭裁判所に申立てを行いますが、裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、当事者間の話合いによりお互いが合意することで、紛争の解決を図る手続です。調停手続では、一般市民から選ばれた調停委員2名(多くは男性と女性のペア)が、裁判官とともに、紛争の解決に当たります。
調停では、当事者を同席させることはなく、一人ずつ調停室(裁判所内の一室です)に入れ替えて話しをします。そのため、調停中に相手方と顔を合わせることは基本的にはありません。
※調停室のイメージ
調停前置主義
調停では、金銭の貸借や物の売買をめぐる紛争、交通事故をめぐる紛争、借地借家をめぐる紛争、農地の利用関係をめぐる紛争など様々な紛争を扱うことができます。
もっとも、遺産分割事件、遺留分侵害額請求事件、離婚事件のように調停前置主義がとられ、最初から訴訟ではなく調停(又は審判)から手続きを行わなければならない場合もあります。
調停手続きのメリット
実情に合った円満な解決ができる
訴訟のように勝ち負けを決めるのではなく、法律以外の問題点も含めて当事者間の話し合い合意できる点を探ることによって、実情に合った円満な解決ができます。
費用が低額
裁判所に納める手数料は、訴訟に比べて安くなっています。
秘密が守られる
調停は訴訟のように公開の法廷ではなく、非公開の席で行いますので、第三者に知られたくない場合にも安心して事情を話すことができます。
強制執行する際の債務名義になる
調停では、当事者間の合意がないと調停成立とはなりません。しかし、調停が成立した場合は、裁判所によって、合意内容を書面にまとめた「調停調書」が作成され、訴訟における確定判決と同様に調停調書によって合意内容を実現する(強制執行する)ことができます。
調停の手続きの流れ
調停の申立て
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調停期日の指定
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双方当事者の呼出し
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第1回調停期日
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※月1回程度期日が入ります
※調停の期間は半年~1年程度ほどかかることが多いです。
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第X回調停期日
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調停成立 調停不成立
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審判・訴訟など